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筆 者: 濱 田 純 逸
●08月09日 土曜
今日は昼ごはんがすごく豪華だった。カレーにそっくりのものとポテトチップス、アップルジュース。そういえば、夕ごはんにすいかも出た。すいかは英語で「ウォーターメロン」というそうだ。なんか食べ物のことばっかり・・・。家への手紙が、切手がとれたために、またもどってきた。母さん、心配してる【注040】だろうな・・・。ラナとキムがアイルランドのおどりを見せてくれた。二年ぐらい習っていたようだ。キムはその大会で三位に入賞している。それが終わってから予定どおり着物を【注041】着せた。すごくよくにあっていて、キャシーとジムが感激していた。長さもちょうどよかったもの・・・。お手玉も作ってみせた【注042】。遊んでいたらキャシー、ジムがTry!!
Try!! といって簡単にやってのけた。教えようと思っていたのに、反対に教えられるほどだった。実は似たような遊びをいつもやっていたのだ!!こんな風に、一日いっぱいいろんなこと【注43】があって、今くったくった。夕方、港にも行って帰りにまたハプニング。どこかのうさぎが逃げていて、それから持ち主さがし。ジムは動物を見ると子供みたいに夢中になってだきしめる。結局、持ち主が見つからなくて、家に連れて帰った。今日は日記を書くにもくらくら、くらくら。寝よう。今度はしっかり手紙が届きますように。仏様ヘ。
注040 |
参加者から手紙が届かないという保護者からの電話が、出発後一週間目ぐらいに数多くある。その一報が届くまでの保護者の心配は相当のものである。実際に、その状態にある保護者と話をしたことのある体験を持つものでなければ、想像するのも難しいかもしれない。パニック状態になられる方もいらっしゃる。特に、参加者の異性の保護者にその傾向が強く見られる。すなわち、男子参加者の場合は母親、女子参加者の場合は父親である。
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注041 |
おみやげとして姉妹に浴衣を持っていった様である。特別にそれを勧めているわけではないが、これらの行為を通してもまた、異文化をお互いに共有する時間を持つことがで、交流が確実に進展していくことは間違いない。
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注042 |
これも事前研修会で紹介する交流の具体的な方法論の一つである。彼女の場合、これらの研修会で学習したことをひとつひとつ確実に、忠実に実践しながらホームステイをしているのがよく理解できる。
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注043 |
事実、彼女の日記を読んでいると、いかに多くの物に目を向け、そのたびに、新鮮な驚きと感動をうけているか、また、その感受性の強さと客観性が、自分自身の世界にとどまることなく、また、現実に埋没することなく、一定の距離をおいて第三者的に日米の比較を、冷静に、沈着に相対しているのに驚かされてしまう。だからこそ一ヶ月の彼女の成長が、そして、気持ちの変遷が説得力をもって読み手に伝わってくるというものである。まるで、最初から読み手がいるのを、読まれることを想定して書いたのではないかと勘ぐりたくもなるほど、その表現力が豊かである。
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⇒ 翌日(11日目 08月10日)へ
登 場 人 物 |
中学二年生のホームステイ参加者/鹿児島県出身 |
田中みゆき |
ホストファーザー/ワシントン州シアトル市在住 |
ジム アレトン |
ホストマザー |
キャシー アレトン |
7歳の双子の姉 |
ラナ アレトン |
7歳の双子の妹 |
キム アレトン |
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