アカデミックホームステイに参加したある中学生のホームステイ記録(日記)です。彼女がホームステイの中で、何を感じ、何を思い、何を考え、何を得たのか。

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■ はじめに 目次 登場人物
■ 01日目 07月31日
■ 02日目 08月01日
■ 03日目 08月02日
■ 04日目 08月03日
■ 05日目 08月04日
■ 06日目 08月05日
■ 07日目 08月06日
■ 08日目 08月07日
■ 09日目 08月08日
■ 10日目 08月09日
■ 11日目 08月10日
■ 12日目 08月11日
■ 13日目 08月12日
■ 14日目 08月13日
■ 15日目 08月14日
■ 16日目 08月15日
■ 17日目 08月16日
■ 18日目 08月17日
■ 19日目 08月18日
■ 20日目 08月19日
■ 21日目 08月20日
■ 22日目 08月21日
■ 23日目 08月22日
■ 24日目 08月23日
■ 25日目 08月24日
■ 26日目 08月25日
■ 27日目 08月26日
■ 28日目 08月27日
■ 29日目 08月28日
■ 30日目 08月29日

筆 者: 濱 田 純 逸

●08月02日 土曜

朝、起こされたのが十一時。そしたら、ジムが帰っていた。ハンサムボーイでドキドキ。半日、バスで【注007】市内をひとまわり。すごくショックで泣きたくなったハプニング。フードつきのジャケットを着ていたら、その中にタバコが入ってたのだ。ジムが気づいてなかったら、どうなったんだろう。恐しくなる。穴がポコポコ・・・・・・。日本人や中国人のお店に入ったのはハッピーだった。明日、作るつもりのソーメンの材料をかってもらって、いなりとまきずしも食べた。もう、涙がちょちょぎれそうなのだ。はらがたつのは日本人なのに、日本語と英語をまぜてしまう私。どうしてだろう。店にいた日本人と話す時、Yesと【注008】答えてしまった。一日のごはんは、いつも決っている。朝はパンと紅茶、昼はパンと紅茶と?。夜はパンと紅茶とスープ(あか色)。今日はなんとお茶やさつまあげが出た。おいしくってたくさんたべた。日本ではあんまり食べないのに……。なつかしい。今晩もいやに悲しい【注009】。

注007
アメリカ社会は自動車社会である。ほとんどの家庭に車があるといっても過言ではない。もちろん都市部の公共交通機関の発達したところでは、車に依存する必要がないのかもしれないが、それでも自宅に自家用車がないのは珍しい。特に、ホストファミリーとしてはおそらく初めての事例と思われる。
注008
生徒達の適応力には信じがたいものがある。大学生よりは高校生、高校生よりは中学生、小学生と、幼少であればあるほど、反比例して適応力、順応力は高くなる。この日はまだホームステイが始まって3日目であるにもかかわらず、既に咄嗟の反応に異言語である英語が出てくるという述懐であるが、頭で考えるわけでなく、身体が英語で反応することに大変意義がある。もちろん、ホームステイという24時間の英語環境、異文化環境の中で生活していることにその遠因がある。国際理解、異文化学習の方法論としてのホームステイが、効果的であるという実証の一例でもある。
注009
この日の日記のくだりは極めて興味深いものがある。ソーメンから始まって、いなり、まきずしと話は変わり、日本ではあまり食べないさつまあげに触れて、最後は改行して、「今日もいやに悲しい」と締めくくるこの流れは、明らかに、夜に一人で日記を書き続ける女の子が、毎晩日本に思いを馳せ、日本を断ち切れない危うさのようなものが感じられる。このまま毎日、日記を書きつづければ彼女の望郷の思いは、ホームステイ最終日まで連綿と続くのではなかろうかとさえ思える。ホームステイが始まって、四・五日ぐらいは、毎日のように、一人ベッドで寝る時、日本のことが思い出され、わけもなく、涙が出てきたと、彼女はこのときのことを後日補足してくれた。

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登 場 人 物
中学二年生のホームステイ参加者/鹿児島県出身 田中みゆき
ホストファーザー/ワシントン州シアトル市在住 ジム アレトン
ホストマザー キャシー アレトン
7歳の双子の姉 ラナ アレトン
7歳の双子の妹 キム アレトン
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