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筆 者: 濱 田 純 逸
●08月08日 金曜
明日はショッピング【注037】だ!! と考えていたせいか、久しぶりに自分で目がさめた。でも、いざ本番となるとつまらないもの・・・。団体行動だからゆっくりできない。せっぱつまって買ったのがTシャツ、ネックレス、スタンプ、絵はがき。Tシャツがすごく気にいらない。兄ちゃんのおみやげ【注038】のつもりだったけど、どうしょう。アーア。ワシントン大学の見学の時、「大学生で結婚している人がたくさんいて、そのためのアパートまである。」という説明があった。みんなびっくり!! 留学生はほとんどだそうだ。また日曜日に日本料理をしようかな? スキヤキをならったから。でも、材料がすごく高くつきそうな気がする。夜は11時までパレードを見た。おどりがあるのかなと思っていたら、すごく楽しいパレード。馬、車、学校、ピエロ、ものすごくステキだった。残念なことにフィルムを持っていかなかったために、十枚ぐらいしかとれなかった。キャシーはすごく最高に馬がすきらしい。パレードで通るとキャーキャー、ワーワー言って興奮している。「日本では子供をしかる時どうするの?」と聞かれて、初めは口でガミガミいって、それでもきかない時はたたくよ。っていっておいた【注039】。そしたら、アメリカでも同じだそうだ。それでもちがうのは、わるいことをしたら、テレビぬき、マンガぬき、食事ぬき・・・と楽しみをとりあげる【注039】ことみたい。明日は学校が休みで、うっれしいなあ・・・。
注037 |
ほとんどの参加者にとってショッピングは楽しみの一つである。ところが、外国からの旅行者がよく行くような観光地ではなくて、地元の人しか行かないようなところが訪問地であるため、参加者にとってお土産買いは、なかなか思うようにならないことが多い。 |
注038 |
生徒達のおみやげ買いに対する執着は並大祇のものではない。この日記からもわかる様に、この日本人の習慣がいかに参加者達を悩ましているか、おわかりいただけると思う。この後も、彼女のお土産に関するコメントが随所に出てくる。 |
注039 |
この付近のホストファミリーとの会話の内容は濃いものがある。この日記を読むまで、中学生の参加者が、まさかこのような内容をホストファミリーと会話しているのかという認識は私たちにはなかった。むしろ、もっと身振り手振りでも可能な、表面的な日常生活の内容のものしかないと考えていた。でも、ここの話題は目には見えない観念的な習慣や価値観に関するものである。そして、彼女がその話題で知り得た、アメリカの方法論は「楽しみをとりあげることみたい。」というのは、全くの事実である。このような形而上的な価値観に関する話題を持ち出し、そして、的確で、間違いのないアメリカの価値観を知り得ているというのには、脱帽した。と同時に、英語力のそれほどない中学生の参加者にも、これほどの会話を行うことは可能だという認識を、この日記は私に持たせてくれた。 |
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登 場 人 物 |
中学二年生のホームステイ参加者/鹿児島県出身 |
田中みゆき |
ホストファーザー/ワシントン州シアトル市在住 |
ジム アレトン |
ホストマザー |
キャシー アレトン |
7歳の双子の姉 |
ラナ アレトン |
7歳の双子の妹 |
キム アレトン |
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