注019 |
一週間に一回だけ、終日研修という活動がある。貸切バスに乗って社会見学を行う、日本の遠足のようなものである。ホストファミリーやその子供達も一緒に同行することが多く、参加者も幅広く交流できるいい機会でもある。 |
注020 |
夏といえども、彼女が滞在したシアトル近郊の最高気温は約28度ぐらい、朝方は約15度ぐらいの日もある。特に、曇ったり、雨が降っている朝は、涼しいというより寒さを感じる。 |
注021 |
気さくなアメリカ人の一面を理解できる。事前の了解なく、突然の多くの日本人訪問者に自宅を開放して、中を見せてくれる家庭がこの日本に果たしてどれくらいおられるだろうか。しかも、同じエリアに住む二家庭がそのぶしつけな申し出を許諾されたのには、彼らの懐の広さを見る思いがする。また、そのことに感激した思いを日記に改めて記してくれる感性を持つ彼女がいるからこそ、私もホームステイを支える決して気が付くことのなかった側面や、国際交流をより意義深いものとするための方法論に大きなヒントを得たりすることができるのである。 |
注022 |
サンドイッチ二切れが透明のビニール袋に入れられ、小さなポテトチップの袋1つとりんごが一つ、そしてコーラを1缶、名前の書いたハトロン紙の袋に無造作に入れのが典型的なアメリカのお弁当(昼食)である。そのハトロン紙の紙袋も家族によっては、使い捨てではなく何回も使う。この日記のお弁当に関する記述は、まさに典型的なアメリカのお弁当という感じがする。また、食事が貧しかったというのは、参加者のほとんどが言うことである。アメリカで家庭生活をしたことのある者は必ず、日本の食生活の豊かさを指摘する。 |
注023 |
信じられないことかもしれないが、アメリカのホームステイでは切手を一つ買うことも大変である。何故なら、日本と同様の距離感では郵便局がないこと、さらには、車社会のため、参加者が自由に思うところにいくことができないということ、また、広大な場所柄のため自転車も日本ほど交通手段として機能しないことなどが考えられる。だから、この述懐は参加者全員に共通することである。 |
注024 |
体験学習の面目躍如というところである。このようにホームステイの持つ最高の環境は、直面する異文化で次々と起こる問題を、体験しながら、学習しながら、そして、その場その場でフィードバックしながら解決していくことができるということである。だから、効果的な方法や対処法を模索するなら、その場その場で得られた結果の記録を残すことが大切である。新鮮な驚きや戸惑い、常なる挑戦、次々と起こる問題発生、そして、その対応と修正と解決、これらの実体験を彼女が日記で記録しているように、克明に残すことである。 |