アカデミックホームステイに参加したある中学生のホームステイ記録(日記)です。彼女がホームステイの中で、何を感じ、何を思い、何を考え、何を得たのか。

HOME > ある中学生のホームステイ日記 > 06日目 08月05日

 
■ はじめに 目次 登場人物
■ 01日目 07月31日
■ 02日目 08月01日
■ 03日目 08月02日
■ 04日目 08月03日
■ 05日目 08月04日
■ 06日目 08月05日
■ 07日目 08月06日
■ 08日目 08月07日
■ 09日目 08月08日
■ 10日目 08月09日
■ 11日目 08月10日
■ 12日目 08月11日
■ 13日目 08月12日
■ 14日目 08月13日
■ 15日目 08月14日
■ 16日目 08月15日
■ 17日目 08月16日
■ 18日目 08月17日
■ 19日目 08月18日
■ 20日目 08月19日
■ 21日目 08月20日
■ 22日目 08月21日
■ 23日目 08月22日
■ 24日目 08月23日
■ 25日目 08月24日
■ 26日目 08月25日
■ 27日目 08月26日
■ 28日目 08月27日
■ 29日目 08月28日
■ 30日目 08月29日

筆 者: 濱 田 純 逸

●08月05日 月曜

朝、久しぶりに七時頃起きて、ねむいこと、ねむいこと。お弁当を持って一日見学【注019】に出発。朝から曇っていてすごく寒かった【注020】。午前中だけ、シアトルの高級住宅街や樹木園などいろんなところをまわったけど、一番、水上に浮かんでいる家が気にいった。昔はまずしい人が住んでいたそうだけど、今はとてもお金持ちでないと住めないそうだ。水上とはいっても、はちにいろんな花が咲きみだれて、最高に気分のよさそうな家だった。二つの家の人が中にまで入れてくれて、それにも【注021】感激。窓からヨットが見える……。私もこんな所に住みたいな・・・。アメリカのお弁当は【注022】すごくますしい。サンドウィッチ二個に果物一個。それがなんとボロボロの茶色のふくろに入れてあるのだ。たまがってしまった。帰り、やっとのことで切手を買う【注023】ことができた。おかあさん心配しただろうな。早くつけばいいけど・・・。手紙は31¢、はがきは21¢だった。「Ten airmail stamps to Japan for letters」と言ういい方を、先生にならって【注024】がんばったのだ。実際は「Ten!」で通じたけど。

注019
一週間に一回だけ、終日研修という活動がある。貸切バスに乗って社会見学を行う、日本の遠足のようなものである。ホストファミリーやその子供達も一緒に同行することが多く、参加者も幅広く交流できるいい機会でもある。
注020
夏といえども、彼女が滞在したシアトル近郊の最高気温は約28度ぐらい、朝方は約15度ぐらいの日もある。特に、曇ったり、雨が降っている朝は、涼しいというより寒さを感じる。
注021
気さくなアメリカ人の一面を理解できる。事前の了解なく、突然の多くの日本人訪問者に自宅を開放して、中を見せてくれる家庭がこの日本に果たしてどれくらいおられるだろうか。しかも、同じエリアに住む二家庭がそのぶしつけな申し出を許諾されたのには、彼らの懐の広さを見る思いがする。また、そのことに感激した思いを日記に改めて記してくれる感性を持つ彼女がいるからこそ、私もホームステイを支える決して気が付くことのなかった側面や、国際交流をより意義深いものとするための方法論に大きなヒントを得たりすることができるのである。
注022
サンドイッチ二切れが透明のビニール袋に入れられ、小さなポテトチップの袋1つとりんごが一つ、そしてコーラを1缶、名前の書いたハトロン紙の袋に無造作に入れのが典型的なアメリカのお弁当(昼食)である。そのハトロン紙の紙袋も家族によっては、使い捨てではなく何回も使う。この日記のお弁当に関する記述は、まさに典型的なアメリカのお弁当という感じがする。また、食事が貧しかったというのは、参加者のほとんどが言うことである。アメリカで家庭生活をしたことのある者は必ず、日本の食生活の豊かさを指摘する。
注023
信じられないことかもしれないが、アメリカのホームステイでは切手を一つ買うことも大変である。何故なら、日本と同様の距離感では郵便局がないこと、さらには、車社会のため、参加者が自由に思うところにいくことができないということ、また、広大な場所柄のため自転車も日本ほど交通手段として機能しないことなどが考えられる。だから、この述懐は参加者全員に共通することである。
注024
体験学習の面目躍如というところである。このようにホームステイの持つ最高の環境は、直面する異文化で次々と起こる問題を、体験しながら、学習しながら、そして、その場その場でフィードバックしながら解決していくことができるということである。だから、効果的な方法や対処法を模索するなら、その場その場で得られた結果の記録を残すことが大切である。新鮮な驚きや戸惑い、常なる挑戦、次々と起こる問題発生、そして、その対応と修正と解決、これらの実体験を彼女が日記で記録しているように、克明に残すことである。

 ⇒ 翌日(07日目 08月06日)へ

登 場 人 物
中学二年生のホームステイ参加者/鹿児島県出身 田中みゆき
ホストファーザー/ワシントン州シアトル市在住 ジム アレトン
ホストマザー キャシー アレトン
7歳の双子の姉 ラナ アレトン
7歳の双子の妹 キム アレトン
ホーム 会社案内 お問い合わせ サイトマップ 
MNCC 南日本カルチャーセンター 
Copyright © 2007 MinamiNihon Culture Center. All Rights Reserved. http://www.mncc.jp