ホストファミリーに求めらるものって何? 外国人をどのようにお世話すればいいの? 問題が起きたらどうしたらいいの? 決してやってはいけないことって? そんな疑問にお答えする短期異文化交流の手引書です。
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筆 者: 濱 田 純 逸 先述しましたように、異文化を持つもの同士の共同生活は、「文化的戦場」であり、問題(摩擦)が発生することを常態としております。もし問題が発生しないのであるなら、それは双方か、もしくは両者の「忍耐と我慢」の中で摩擦が封印されているだけのことであり、その状態は決して好ましいものではありません。特に日本人がホストファミリーである場合は、この「忍耐と我慢」は日本人ホストファミリー側のみで抑圧されており、お世話されている外国人側は、問題が発生しているという認識すら自覚していないというケースが圧倒的に多くあります。特に、短期間の異文化交流ではこの傾向が顕著であり、何らかの問題が発生しても、「もうすぐ帰るのだから、言わずに我慢する」という対応に往々にしてなりがちです。何事にも我慢強く、自己主張に消極的で、争いを好まず、和を重んずる日本人の国民性がその背景にあります。このような場合、彼らが帰った後、家族全員で顔を見合わせて、口から「ふーっ」とため息が出て、もう二度とホストファミリーになるのは御免だという感慨を持つことになってしまいます。そして、異文化理解は難しいという認識を持つことになりかねません。 ホストファミリーのこのような姿勢は、異文化交流の意義までも抹殺するようなことでもあります。何回も申し上げます通り、異文化交流というのは、異なる文化と出会うわけですから、必ず問題(摩擦)が発生するのであり、この問題(摩擦)発生が大きな意味を持っているわけです。大事なことは、この問題(摩擦)にどのように対処するかということで、異文化交流の価値が決まるのであり、もし、この問題を解こうとせずに、我慢することで問題を回避するのであれば、異文化交流の意義はほとんど半減してしまうのです。その最良にして、最善の方法は、問題(摩擦)と正面から向かい合って、徹底的に言葉で相手に自文化を説明し、異文化との相違を議論するということです。極論すれば、異文化と対決する、戦うという姿勢が時には必要なのです。戦わずして、我慢と忍耐に終始するのであれば、最終的には自文化中心主義的な感慨を抱くことになりかねません。 |
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