ホストファミリーに求めらるものって何? 外国人をどのようにお世話すればいいの? 問題が起きたらどうしたらいいの? 決してやってはいけないことって? そんな疑問にお答えする短期異文化交流の手引書です。

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■ はじめに 目次
■ 異文化について
■ ホストファミリーに
  求められるもの
■ 到着前に準備しておくこと
■ 日本に到着したら
■ 家族の一員としての生活
■ 具体的な家庭生活
■ 問題解決のために
■ 決してやってはならないこと
  (タブー集)

筆 者: 濱 田 純 逸

 お客様扱いをして、特別待遇でもてなすのが一番いけません。もし、家庭でのルールがあれば、それは必ず彼らにも守らせるべきです。彼らにして欲しいことがあれば、積極的にお願いしてください。やってはならないことをしたら、その場で、必ず叱ってください。日本語で構いません。決して、ホストファミリーが我慢してはなりません。日本語で叱っても、その迫力と声のトーンで、叱られたということはわかります。先述したように、彼らが自宅を去ったとき「やれやれ、これで終わった」と思うのであれば、これは大変なことです。精神的に気が張り詰めて、家族の一員としての扱いをしていなかったということに他なりません。彼らも皆さんがそうなることは決して望んでいないはずです。自分がホームステイすることを考えて、こう扱って欲しいと思うことを彼らにすればよいのです。

 また、きれいに整理整頓されて、ゴミ一つない部屋は気持ちがいいものですが、そこでお世話になるものにとっては、窮屈に感じられることもあります。アカ一つない窓や皿は本当にきれいだと思いますが、利用するものは汚さないようにと、気を遣わなければならないものです。普段からそうであるのならそれでも構いませんが、彼らがやってくるからということで家の中を徹底的に片づけるというのであるなら、そんな必要はありません。彼らは家族の一員なのですから、家族の一員を迎えるために特別なことをしなくてもいいのです。完璧なホストファミリーを心がける必要は全然ありません。用意周到に準備する必要もありません。行き当たりばったりで充分です。

 特に、母親役をされる方はもっとも難しいものです。「食べ物は何を準備しようか?」「寝る場所はどうしようか?」「トイレは?お風呂は?」と、次から次へ、日常的な問題が押し寄せてきます。一番神経を使う役です。父親役や子供たちは、ひたすら彼らと話したり、遊んだりするのですが、母親役はそういきません。具体的に、異文化の問題が発生する戦争における前線基地のようなものです。これらの問題にしても、本当に普段の生活と同じものであっていいのです。そうすれば、母親役も疲れることもなく、いつもの日々が過ぎるだけなのです。

 物質的なおもてなしより、精神的なおもてなしを心がけてください。食べ物はいつもと同じもので充分ですので、話しかけることに時間を割いてください。例えば、料理をしながら、作り方を見せながら、日本語で説明してあげてください。そうしながら、料理を作る手伝いをさせてください。彼らには非常に興味のあることなのです。言葉は分からなくても、行動しながら説明すれば、理解できることが数多くあります。有名な観光地に連れて行く変わりに、近くのスーパーや郵便局や役場やお寺などの普段の生活で利用している場所に、一緒に連れて行ってください。家族の趣味を見せてあげて、見せながら日本語で説明してください。一緒に何かをしながら教えれば、言葉はそれほど多くなくても充分理解できるものです。本当に些細なこと、自分たちのあまりにも日常生活過ぎて気にもとめないこと、そんなものの中に、彼らが興味を抱くものがいっぱいあることを知ってください。同じ時間に、同じ場所で、同じ空間を共有するだけでなく、同じ体験を共有してください。おそらく、「同じ体験を共有すること」が最も大切なことであったと、後から必ず気づくことになると思います。

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