昨日の雨をひきずっているような、白い靄がかかった朝となりましたが、予報によると次第に青空が見えてくるとのこと。今日はみんなが楽しみにしていたサンフランシスコ終日研修の日です。空模様を伺いながら、いつもより早めの8時15分に集合しました。40名の生徒たちに加え、何組かのホストファミリーも一緒にバスに乗ってサンフランシスコに向かうため、2台の貸切バスが手配されていました。まず、サンタローザを出発し、途中ペタルマという町で停車、その近辺に滞在している生徒たちを拾って、サンフランシスコを目指します。サンタローザから乗り込む生徒たちが全員集まったところで、引率者から重要なお知らせを伝えました。
昨晩、トシキが貧血のような症状で病院へ行き、検査結果を待つ間、病院で過ごさねばならず、いまもまだ病院にいるということでした。引率の福島と地域責任者のスズがサンタローザに残り対応することとなったため、終日研修へは同行できなくなった旨を、生徒たちに説明しました。トシキは、脱水症状を起こしているものの、容態は良好で元気そうだという連絡も入っています。改めて、各自体調管理には十分気を配り、積極的に水分を取るよう注意を促しました。ありがたいことに、このプログラムにボランティアで来てくれているエリーさんという女性が、1年間埼玉でALTとして働いていた経験があり、日本語が堪能であることから、引率者のピンチヒッターとしてサポートをお願いすることが出来ました。つくづく、現地の方々のボランティア精神に救われていることを実感します。
8時半、いつもの授業と同じグループに分かれてバスに乗り込み、出発しました。途中ペタルマで5名の生徒と合流し、ホストファミリーも多数乗っているバスはほぼ満席状態となります。車中で、終日研修時の注意事項を話しました。世界的に有名な観光地であるサンフランシスコには、あらゆる人々が集まっています。持ち物管理から、お金を使うときに注意すること、自由行動の際には決して単独行動はしないということ、怪しい人・店・通りには決して近づかないということ、はぐれてしまったときの対処方法など、危機管理に関するとても重要な話を、みんな静かに聞いてくれました。
1時間ほど走ると、景色がぱっと開けて車窓から海がみえてきました。バスの進行方向には、ゴールデンゲートブリッジの赤い鉄塔が続いています。このときにはすでに早朝の靄は消え、真っ青な空が広がっていました。突き抜けるような青空に浮かぶ真っ赤な吊り橋は、まるで絵に描いたように、くっきりと浮かび上がっています。霧のイメージが強いサンフランシスコですが、今日は生徒たちを歓迎してくれているように晴れ渡っています。バスは、橋を渡った先にある撮影スポットで停車しました。バスを降りてまず、集合写真を撮影しました。その後、15分間の自由時間が設けられ、各々写真を撮ったりお土産を買ったりして過ごします。あっという間に集合時間がきて、生徒たちが集合場所に姿を見せ始めます。班長を中心に、いつものように集合隊形をとってもらったのですが、4名足りません。集合時間通りに集まってくれた生徒たちを待たせ、探しにいくと、トイレに行こうとする生徒が2名、遠くから小走りでこちらに向かってくる生徒が2名、見つかりました。改めて、集合時間は厳守すること。トイレは集合時間を考えて早めに済ませることなど、全員に注意をし、バスに戻りました。ルールを守れないと、日本人生徒だけでなく、一緒に来てくれているホストファミリーにも迷惑がかかってしまいます。
バスは、サンフランシスコ湾を望む観光エリアの中心部に停まり、生徒たちはそこから歩いて次の目的地を目指します。40名プラスαの大グループ。TCの先生方の指示に従い、ホストファミリーの皆さんの力も借りながら、車も人も多い通りを進みます。
最初に訪れたのは、「ギラデリスクエア」というアメリカの代表的な老舗チョコレートブランド・ギラデリチョコレート社(Ghiradelli Chocolate)の施設です。レンガ造りの一角、噴水を中心にチョコレートショップや雑貨屋、ベーカリー等が並んでいます。敷地内には、ふわっとチョコレートの甘い匂いが漂っていました。集合写真を撮影し、ここでも20分間の自由時間をもらいました。チョコレートショップでは、試食としてミルクチョコレートが配られます。みんな「ラッキー♪」と笑顔で受け取り、早速口に頬張っていました。店内にはカフェが併設されており、生クリームのたっぷりのったチョコレートサンデーが目の前を運ばれていきます。アメリカらしい豪快な盛り付けにみんなの目は真ん丸。さすがに注文するには至らず、ホットチョコレートやアイスクリームを購入する生徒たちでした。少しお高い値段設定だったかもしれませんが、持ってきたお小遣いと相談しながらお土産を慎重に選んでいました。集合時間、今度は2名生徒が足りない...。すると、ホストファミリーも1
人女の子がまだ集合していないということ、きっと一緒に回っているのだろうとしばらく待っていると、3人揃って姿を現しました。ホストファミリーに頼り切るのではなく、各自しっかりと時間管理をするようにまたまた注意をし、次のフィッシャーマンズワーフへ向かいます。
人通りの多い中、ホストブラザーやシスターたちが率先して、道路を横断するお手伝いをしてくれることが本当にありがたく感じました。途中、サンフランシスコを象徴するケーブルカーも見ることができました。フィッシャーマンズワーフには、たくさんのお店やレストランが並んでいます。ここで昼食をとることとし、ランチを持参していない人たちは、イレイナ先生とアンディ先生の二手に分かれてお昼ご飯を買いに行きます。先生方に助けていただきながら、シーフードを使ったサンドウィッチやフィッシュアンドチップス、名物のクラムチャウダーを買い、カモメやハトが集まるデッキで鳥達の攻撃を警戒しながら食べました。サワードウブレッドという、少し酸味のあるパンの器に入って提供されるクラムチャウダーは、他の多くの観光客の方々も美味しそうに頬張っていました。生徒たちが気づいたことは、大量の残飯が捨てられていること。鳥達の餌として投げているのか、日本の観光地ではありえないくらいに地面が食べかすやゴミで散らかっていたこと。そして、「鳥のフンに注意」などの看板がどこにも見当たらなかったことなど、日本の清潔さを感じさせる環境でした。アメリカの自由な雰囲気に魅了されてばかりいるのではなく、日本の良さにも気づけるのは、実際にここに身をおいているからこそなのかもしれません。口をすっぱくして言い続けていた時間厳守の約束は、ここで見事に達成されました。班長を中心に集合してもらい、人数を確認したら、最後の目的地であるピア39に向かいます。途中、大道芸人のパフォーマンスや出店に目を奪われる生徒たち。写真を撮ると、チップをねだられる可能性があることを注意しながら進みました。
ピア39で本日最後の集合写真を撮り、2時間の自由時間が与えられました。集合時間と場所の確認、危機管理の注意を再度行なってから、解散とします。ピア(埠頭)には、数々のお店や飲食店が2フロアに及んで広がり、買い物以外のアトラクションも、ゲームセンターやメリーゴーランド、アザラシ波止場(!)など、生徒たちの好奇心をくすぐる場所がたくさんあります。“San Francisco”とかっこよく書かれたTシャツやマグカップ、キーホルダーなどが売られるお土産屋さんで、目をキラキラさせながら買い物をする生徒たち。日本の家族や学校の友達のことを考えながら、真剣に選んでいました。「10個で10ドルだった!」と、両手いっぱいのキーホルダーを嬉しそうに見せてくれます。自分のためにも、何か記念になるものを購入できたでしょうか。
集合時間は3時15分。果たしてみんな戻ってきてくれるだろうかと、期待半分不安半分で集合場所で待っていましたが、班長の声かけで綺麗に整列した状態で、39名全員が時間ぴったりに揃ってくれました。TCの先生方も、「さすが日本人」と褒めてくださいました。 引率者にとって、終日研修は一番緊張する日なのですが、忘れ物も紛失物もなく、みんな無事に集まってくれてホッと一安心です。GOOD JOB!! 今夜はサンフランシスコでホストファミリーと過ごす予定のある生徒2名とお別れし、サンタローザへ帰るバスに乗り込みました。
大きな渋滞にはまることもなく、約2時間ほどでサンタローザに帰ってきました。サンタローザに到着すると、病院から帰ってきたトシキが待っていてくれました!!少し疲れた様子ではありましたが、医師からのお墨付きをもらい、もう心配はないということ。TCの先生方が、トシキへゴールデンゲートブリッジのお土産を買ってきていてくださいました。本当によかった!!!!!
明日からは3連休。連休明けの全体活動はわずか2日です。この連休を使って、ホストファミリーにどんなGIVEができるのかを考えながら過ごして欲しいと、生徒たちに伝えました。実質11日間のホームステイは今日が折り返し点です。ここから帰国日までは、きっと、あっという間に過ぎてしまいます。「もっとホストファミリーとお話ししておけばよかった」「一緒に過ごせる時間をもっと大切にすればよかった」という後悔のないよう、ホストファミリーとの関わり方を意識して、三が日を過ごして欲しいと思います。See you next year!!
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