いよいよ、28人の10日間のアドベンチャーの始まりだ。真冬を思わせるような寒さの鹿児島空港に早朝6時半に全員集合。チェックインの後、見送りに来てくださった家族に挨拶を済ませ、羽田空港行きの飛行機に搭乗した。機内では、早朝集合のために寝不足なのか、ほとんどの生徒がうとうとしていた。羽田空港から成田空港へ向かうバスの中では、家族に持たせてもらったお弁当を食べたり、東京ディズニーランドのシンデレラ城やスカイツリーに興奮した。この時点までで数回、班ごとに集合、班長に人数確認をしてもらったのだが、みんなが自分の班のメンバーの顔を覚え、スムーズに集合、人数確認ができるようになっていた。28人という大所帯なので、これから鹿児島空港へ戻るまで、生徒全員に協力してもらって、安全に過ごしたいと思う。
成田空港での国際線のチェックインは、自動チェックイン機を使っての個人チェックイン。パスポートを機械にかざし、画面に出てくるいろいろな質問事項に答えていくというものだった。ユナイテッド航空の職員に助けてもらい、少し時間がかかったが、チェックインも無事に終了。スーツケースの規定の重量をオーバーした子は一人もおらず、感心! セキュリティーチェックを通り、搭乗口へ。私たちの乗るユナイテッド航空の出発時刻までは、時間に余裕があったので、少し解散し、その間に生徒たちはスナック菓子や本を買ったり、搭乗口近くにあるテレビを観たりして過ごしたようだった。
シアトル空港行きの飛行機に乗り込んでしばらくしても、ウロウロしている生徒が一人。理由を尋ねると、自分の座る席に別の人が座っていると・・・。その女性に座席表を確認してもらうと、座席表を見誤っていた様子。無事に自分の席に座れた生徒は、ホッとした表情だった。ハプニングは、いつ起こるか分からない。どんなハプニングも楽しんでいきたいものだ。
国際線の中では、自分の目の前についているテレビで映画を見たりして、それぞれが静かに過ごした。前もって注意をしていたので、みんなが少しでも多く寝る努力をしてくれていたと思う。飛行中に2回出た機内食も「意外とおいしいね〜」と言いながら、ほとんどの生徒が残さず食べていた。定刻どおりに飛び立った飛行機は、これまた定刻どおりにシアトル空港へ到着した。初めて入国審査を受ける子も多かったが、みんな「8 days」「Sightseeing」を何度も練習しながら臨んだおかげか、特に問題もなく、スムーズに入国スタンプを押してもらっていた。私が最後に入国審査を抜けたのだが、荷物のターンテーブルに行くと、もうすでに、みんなで協力してグループ全員のスーツケースを降ろしてくれていた。感心! スーツケースをゴロゴロ押しながら税関を通り、トラムに乗ってメインターミナルまで移動した。そこで、TCのクリスティー先生とサンディー先生、そして地域責任者のアシスタントであるゲイルさんが、赤と青と白のアメリカ国旗の色のレイを持って迎えてくれた。アメリカ人3人から笑顔とハグとレイで迎えられ、緊張で顔がこわばっていた生徒たちも、幾分か気持ちがほぐれたようだった。
空港内で第一回目の全体写真を撮り、バスに乗り込んだ。シアトル空港から私たちの滞在するLacey/Olympiaは、大体1時間ほどなのだが、途中でタコマモールに寄り、昼ごはんを買うことになった。ここで、またハプニング。私たちの伝え方も悪かったのだが、集合時間を告げる前に解散してしまった子が数名いて、10分間ほどモールの中で行方不明になってしまったのだ。これが、戸外だったらとゾッとした。このことは、後のオリエンテーションでも、厳しく生徒に指導した。生徒たちも真剣に聞いていてくれたので、これからは大丈夫だと思う。
スタディーセンターに着くと、オリエンテーション。これまで丸1日ほとんど寝ていない状態の生徒たちは、TCの2人の英語を聞きながら、少し眠そうにしていた。しかし、このプログラムで重要なことばかりの内容だったので、渡された資料を復習して、しっかり肝に銘じて10日間を過ごしてほしい。オリエンテーションは、生徒の眠気覚ましにと、それぞれの名前を覚えるためのゲームやフルーツバスケットなどをはさみながら進められた。途中で会場に来たクリスティー先生の娘さんのアシュリンには、休み時間に女の子たちが積極的に話しかけていた。この調子でホストファミリーとも積極的に交わってほしいと思う。
5時には、ウェルカムパーティーのために、ホストファミリーが手料理を持って集まりだした。それぞれのホストファミリーと対面するときの生徒は、緊張からか顔がこわばっていたが、前もって用意してきていた自己紹介をして、一生懸命話をしていた。ホストファミリーの中には、大きな紙に「Welcome○○」と書いた用紙を持ってきている方もいた。全員のホストファミリーが、この日を本当に心待ちにしていたと話してくれた。本当にありがたいことだと思う。今日は、サンディー先生の息子さんのアダムの11歳の誕生日ということで、ウェルカムパーティーには、プロのマジシャンも呼ばれ、ユーモアあふれるジョークや、よーく見ても全く仕掛けの分からない手品に、みんな大喜びだった。マジシャンに「Any volunteer?(誰か手伝ってくれる人?)」と聞かれたときも、日本の子達もアメリカの子ども達に負けないように手を挙げていて、とても嬉しかった。その「何でも楽しもう」という姿勢があれば、このプログラムは成功するだろうと思う。
1日目が終わりましたが、まずまずのスタートが切れたのではないでしょうか。みんなとても良い子たちで、私もとても助かっています。いろんなハプニングのあった初日でしたが、とにかく、みんな元気ですので、ご家族の皆様、ご心配されませんように。明日は、7時半集合。みんな、今夜はゆっくり寝て、明日も元気な顔を見せてくれることでしょう。
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