今日から学校生活が始まりました。私たちが通うカリカルメカックランゲージスクールは、幼稚園から中学2年までいる学校で、全ての生徒を合わせると900人ほどいるらしいです。週末を過ごしてやってきた子ども達の顔は、全員が元気で晴れ晴れとしていました。アイススケートやスヌーピー博物館、そして野球の試合を見に行ったりと、それぞれが思い思いに楽しい週末を過ごしてきたようです。最初に、現地受け入れ機関である、CHIの地域責任者であるキャシー・ジョンソンさんが来て、オリエンテーションをしてくださいました。アメリカで楽しく過ごすためのこつを、ゆっくりとわかりやすい英語で話してくれたので、子ども達は理解していたようです。まず、第一に「Smile」(笑顔)でいること、次に「Thank you」(感謝の言葉を述べること)、そして、忙しそうにしているファミリーや先生がいたら、「May I help you?」(進んでお手伝いをする)と言ってあげることです。アメリカの授業の中で「Volunteer?」と聞かれたときには、自分から進んで発表したり、お手伝いをすることなのですが、「Who's volunteer?」と聞かれてすぐに手があがるところが、さすが小学生です。こちらでは、誰もが「よくその年齢で一人アメリカに来たね」ということをよく言われますが、屈託なく笑い、積極性がある所は、小学生の素晴らしい部分です。オリエンテーションが終わると、早速Geo先生の重い荷物を運ぶのを手伝ってくれたのはアキヒロでした。Geo先生が、アキヒロは、ホストファミリーからも「おもしろくて、よく手伝いをしてくれるし、きれい好きだしとてもいい子で、養子にしたいくらいだわ」と言っていたそうです。ここの学校は、英語とスペイン語を同時に学ぶというカリキュラムになっており、あちらこちらでスペイン語が聞こえてきます。Geo先生は、英語、スペイン語、日本語と3ヶ国語を使いこなすすごい先生です。私たちもクラスに入って行く時には、「ブエノスティアァース」(おはようございます!)とスペイン語で声かけしながら入っていきます。英語もスペイン語も同時に学べる私たちはラッキーです。ただ、英語もまだままならない私たちには、第二外国語まで学ぶ余裕はまだあまりないのも事実ですが・・・。それにしてもこちらの子ども達もすごいなと思います。やはり言葉はできるだけ早い時期に学ぶことが大切なのだと特にこちらにいるとそのことを強く実感します。
2つのクラスに分かれて最初の授業を受けることになっていますが、今日のスケジュールは、チェンジにチェンジが重なり、もう訳がわからないほどめまぐるしいスケジュールでした。というのも、当初は2つのクラスでずっと授業を受ける予定だったのですが、他のクラスの子ども達が私たち日本人の生徒達をゲストとして呼びたいというクラスがどんどん増えていき、スケジュールが細かくなってしまったのです。その歓迎ぶりは大変ありがたいことなので、仮にスケジュールが変わったとしても、とても嬉しい忙しさでもありました。英語でも「Good tired」と表現します。疲れたけど、「心地よい疲れ」ということですね。仕事もそうですが、充実していればどんな疲れもふっとんでしまいます。12人の子供達は、まるでスターであるかのように、周りに人が群がってきて話しかけてくれます。人だかりをかき分けていくと、必ずその中心に私たちの12人の生徒達がいるのです。全ての英語を理解できるわけではありませんが、彼らにはとっておきの「笑顔」があります。身振り手振りで話しています。特に、このTeam Santa Rosaの女子6人の笑顔はみんな天下一品です。とてもよく笑い、みんな素敵な笑顔の持ち主です。キャシーさんが言った「スマイル」を武器にたくさんの友達を作っていました。」女子の周りにはいつも人だかりができるほどです。シュンが「アメリカの学校では人気者だからこっちがいいなぁ。」とぼそっと言っていました。最初はこわばっていた男子も徐々にその緊張感が解きほぐされ、リラックスしていっているのがわかります。英語のボキャブラリーのクラスでは、わからない単語をすぐに辞書を取り出して調べていたマキのことを、先生がとても誉めていました。こちらの先生は、子供達のことをよく観察しています。よく誉めてくださるし、そのことが生徒たちの自信につながり、もっと学びたいという向学心を育てていくのだなと感じます。
今日の午後は、Book Fairといって、いろんな本を格安で売って、そのお金を様々な基金(Fund Raising)として役立てようというものが体育館で催されており、中には英語で書かれたマンガもあり、子ども達は好きな本を買っていました。私が持っていった日本地図で生徒一人ひとりがどこから来たのかを説明したり、出身地のことを質問されたり、本当にアメリカの生徒達はよく質問をしてきます。日本人の子どもももっと相手に質問を積極的にして欲しいと思うところです。折り紙を折るクラスでは、日本から持ってきた新聞でカブトを作ってあげると子ども達は大喜びです。特に低学年の子たちは大うけします。カブトに日本語で名前を書いてあげると、次から次へとリクエストがあがります。中学生のクラスに入ると、そこの生徒は小学生とは異なり、ぐっと大人っぽくなります。そして落ち着きがあり、英語もゆっくりわかりやすいように聞いてくれます。歓迎メッセージの書かれたカードや、チョコレートをもらい、子ども達はまたまた大喜びです。学校でお菓子をもらうようなことは日本ではないし、ましてや学校におやつとしてお菓子を持っていけることは、子ども達にとってはとても嬉しいことのようです。初日はとても忙しい一日でしたが、無事に終わりほっとしています。そして、何よりも子ども達一人ひとりの目の輝きが出てきました。長旅の疲れと言葉の壁でちょっと元気がなかった子どもも、そのことをものともせずに、フレンドリーに接してくれるアメリカの子ども達や先生方、そしていつも優しく笑顔のGeo先生のお陰で、緊張感から解き放たれていくのが今日の一日の学校生活で手に取るようにわかりました。
ここ、アメリカっていう国には、ちっぽけなことで悩んでいることをふきとばしてくれるような、そんなパワーと優しさ、思いやりのある国です。この大きな大地が、そうさせてくれるのでしょうか。それともたくさんの人種がこの大地で共存していく中でこういう国民性や価値観が生まれてきたのでしょうか。私たち日本人にはない、何か大きなふところの深さを感じる、そんな人達との出会いは、今後この子ども達にどのような人生観を持たせてくれるのでしょうか。明日の活動の一つ一つがまた新たな出会いを生み、感動を呼び、そしてそのことが心に大きく焼き付けられることでしょう。
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