現在、夜の11時すぎ。無事にさよならパーティーを終え、安堵とさみしさが入り交ざった複雑な心境で、パソコンに向かっている。
Chinook中学校で過ごす最後の日。今日は朝から強い雨が降っていた。私達がレイシーに到着してから、雨の降らない日はなかったのではないだろうか。もちろん雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせた日もあったが、ほとんどは雨か曇りだったと思う。気温は10度前後だったのだが、体感温度はそれほど寒くはなかった。生徒の中には、校内では半そでで過ごす子もいたほどだ。
今日は9時20分から3時30分の6時限まで、みっちりバディと過ごした。今日は、授業の一環で州議事堂へ行くバディもいたので、いつもと違うバディと過ごす生徒もいた。また、学校の行事で「小さな子どものような格好をする日」だったので、パジャマで登校したり、ぬいぐるみを抱えていたり、左右ちぐはぐの靴下を履いていたりする子が多かった。中には、抱えてきたぬいぐるみをプレゼントされた日本の生徒もいたようだ。言葉の壁はあったとしても、心と心のふれあいで、ちゃんと生徒たちは通じ合っていたのだと思う。
生徒たちはいつものように、授業を受けたり、ランチをとったりして過ごしたが、私とTCは夜に行われるさよならパーティーの準備でバタバタしているうちに、あっという間に3時30分になってしまった。さて、普段は3時30分からの20分間は、日本でいうところのホームルームのような時間なのだが、今日は、春休み前の(来週は春休みで学校は休み)、そして私達、日本の留学生のためのAssembly(全校集会)が開かれた。こちらの全校集会は、日本の集会とは違って、マイクパフォーマンスも派手で、音楽をガンガンかけて、生徒たちも叫ぶ。ちょっとしたカルチャーショックを受けたと思う。アメリカ人生徒に紹介され、マリ(松)がMCとして私達を紹介する。今朝、私から急に頼まれたのに、700人の全校生徒を前にも臆することなく、立派にMCをしてくれた。感謝。いただいた5分間で、縄跳びと長縄跳び、剣道を紹介し、みんなから大きな拍手をもらった。きっと、鳥肌がたったのは、私だけではないと思う。最後に、サプライズで、中学校から生徒たちにはChinook中学校のTシャツ、そして私には中学校のパーカーをいただいた。男の子の中には、その場でTシャツを着る子もいた。私達を無償で受け入れ、私の度重なる授業の訪問、そして、(時には邪魔であっただろうに)写真撮影も許可してくださった上に、プレゼントまで。本当にどんなに感謝しても感謝しつくせない。全てが終了した後に校長先生と話をしたが、また来年もぜひ来て欲しいと言ってくださった。Chinook中学校の生徒にも、とてもよい刺激になるからと。こう言っていただけるのも、全て、今年のジュニア留学の生徒たちが、一生懸命、ここでがんばった証と思う。全校集会が終わると、日本の生徒の周りには人だかりができ、泣いているバディもいた。また、この子たちが、いつか近い将来、再会できるといいなと思う。
全校集会の後は、そのまま学校に残り、カフェテリアでさよならパーティーの準備と練習。ここで、なんと(浴衣を着たエリ以外の)みんなが、先ほど学校からいただいた紫色のTシャツに着替えた。私やTCが提案したわけではなく、自然とみんながこのような形で中学校に感謝の気持ちを表してくれたことを、とても嬉しく思った。ちょうど校長先生が通りかかったので、一緒に記念撮影をお願いしたが、校長先生も、Tシャツに着替えている生徒たちを見て、とても喜んでいた。(校長先生と一緒の写真に数名が写っていないのは、着替えに行っていて間に合わなかったからです。みんな、元気に登校しています!) まず、このプログラムのアンケートを書き、その後、パーティーの出し物を決めたのだが、みんな、それぞれがちゃんと自分が披露したいものを考えてきてくれていたので、盛りだくさんの内容になった。その後、各自で練習時間を設け、TCが用意してくれたピザとサラダの夕食をもりもり食べ、さよならパーティーの会場作り。そして、7時ギリギリまでリハーサル。みんなが協力してくれたので、時間きっちりにさよならパーティーをスタートさせることができた。
さよならパーティーでは、エリが司会進行をしてくれた。彼女は、最年長で、私の言うことをよく理解してくれ協力してくれる子で、この子がこのグループにいてくれて、私は本当に助かった。生徒たちは、ピアノを弾いたり、マジックをしたり、リコーダーやクラリネットを吹いたり、剣道を見せたり、縄跳びを見せたり、歌を歌ったり、ダンスをしたり、リフティングを見せたり、相撲やおはら節まで披露してくれた。みんな恥ずかしがることなく、堂々と胸を張ってやってくれたので、ホストファミリーからも大きな拍手をいただいた。ホストファミリーは、自分のホストしている子の番になると、口笛を吹いたり、歓声を上げたりして、喜ぶ。ホストファミリーにとっても、みんながそれぞれの「自慢の子」になったのだろう。そういえば、今夜、ホストファミリーにとても人気があったのは、ソウタの「ムーンウォーク」。何回もアンコールでやっていた。マイケル・ジャクソンも真っ青なぐらい上手だった!
出し物が終わると、TCのクリスティーとジェニファーから生徒一人一人に修了証書が手渡された。その時、日本から持参したTCへのプレゼントも、それぞれが手渡した。生徒たちは、自分たちの修了証書を受け取った後、ホストファミリーの修了証書を家族へ手渡しに行ったのだが、多くの子たちがホストファミリーにハグされると感極まって泣いていた。チアキのホストファザーは「明日の集合時間にはチアキは来ないからね。ずっとここにいるんだから」と私に笑いながら言っていた。チアキだけでなく、他のどの子のホストファミリーと話をしても、「短すぎる」「まだまだ一緒にいろんなことをしたかった」「このままここにいて欲しい」といったような言葉をいただいた。これは、家庭内でみんなががんばった証拠。
修了証書を手渡された後は、TCのジェニファーが作ってくれたスライドショーを見ながら、ケーキや日本から持参したお菓子をみんなで食べ、後片付けをみんなでして、終了。今夜と明日の集合時間までは、これまで自分たちにホストファミリーがしてくれたことに感謝し、今度は自分が何をホストファミリーにしてあげられるか考えながら過ごすように伝え、解散した。今日すでに、みんな号泣していたのに、明日の別れの時間はどうなることやら。最後の一日をしっかり楽しんで、明日元気な顔を見せてほしいと思う。それにしても、パーティーのために、TCのクリスティーとジェニファーは、あちこちを走り回っていろんな道具を集めてくれた。二人には本当に感謝している。彼女たちとも、明日ホテルでお別れ。最後にみんなできちんとお礼を言って別れようと思う。
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