今日は、曇り空。私たちが到着してから、少し肌寒い日が続いています。それでも、朝の集合時から、子どもたちはとても元気。具合の悪い子は一人もいません。今日と木曜日は、Foresthill
Divide Middle Schoolと言って、日本でいう小学5、6年生と、中学1、2年生の4学年が在籍する中学校に行きます。集合場所の連絡がうまくいっていなかったらしく、ユカだけは昨日のForesthill
Elementaryに集合してしまい、あわてて迎えに行きました。本人は、みんな来ないけど遅れてくるのかな、と思って、ホストシスターと一緒に授業を受け始めていたようです。ユカは、とても明るく、楽天家で、話始めたら止まらないほどのおしゃべりです。みんなが揃ったところで、昨日から練習している歌の練習。「幸せなら手をたたこう」昨日、カタカナで読み仮名をうまくつけられていなかったので、私が昨夜作った、歌詞にカタカナをふったプリントをみんなに配って練習しました。昨日よりはちゃんと歌えていたと思います。少しだけ、さよならパーティーの出し物を決めようと思ったのですが、いくら私の話を聞くようにと話しても、おしゃべりや悪ふざけばかりする男の子たちに、今朝は、ちょっと本気で怒りました。その瞬間は、シーンとなったのですが、それからも度々注意しなければならない場面があり、残念な気持ちになりました。いろんな場面で、いろんな方から説明を受ける時に私語があると、説明してくださっている方にとても失礼なので、そこがとても気になるところです。他の面では、みんな元気で、アメリカの子どもたちに負けないくらい積極的で毎日を楽しんでいるので、大満足なのですが…。このことは、日本でも大切なことなので、残りの数日で「人の話を聞くときは、私語を慎む」という基本的なことを学んでほしいと思います。
さて、今日のスケジュールは・・・。まずは、Worton’s Marketという名前のスーパーマーケットの見学です。オーナーのジョニーさんから、店内を案内してもらいました。カリフォルニア州は農業が盛んなので、店に置いてある果物や野菜のほとんどは、カリフォルニア産のものであることなどの説明を受けたり、たくさんの食料が収めてある冷凍庫や冷蔵庫の中に入らせてもらったり、Deli(デリ)の中を案内してもらった後、10分だけ店内で解散し、子どもたちはスナック菓子やアイスクリームを買いに走りました。ジョニーさんから、子どもたち12人分の焼きたてチョコレートクッキーをお土産にいただき、店の外の見晴らしの良い場所のピクニックテーブルで食べました。その場所からは、Sierra
Nevada山脈の冠雪した山々が遠くに見え、ナナは「あの山は隣の州にある山ですか?」とヴィクトリア先生に質問していました。答えは、カリフォルニア州です。
次は、Foresthill Library(市営図書館)です。小さな図書館ですが、1850年代に立てられた建物の中にあり、たくさんの本でいっぱいです。本当は、今日は1時に開店のところを、私たちが訪問するということで、午前中に開けてくださいました。ヴィクトリア先生は週に1日は、この図書館で働いています。館主のロビンさんからどのような本が置いてあるかなどの説明を受けた後、ロビンさんが本の読み聞かせをしてくださいました。この図書館では、木曜日には幼児を対象に本の読み聞かせをしているそうです。今日読んでくださった本は、もちろん英語でしたが、絵が多く字が少ない絵本だったので、みんなちゃんと意味が分かったと思います。本を好きな子が多く、みんな夢中になって、本をめくっていました。リョウスケは、読みたい本があったらしく、2冊借りて帰っていました。読み終わったら、ヴィクトリア先生が返しに来てくださいます。
学校に戻ると、ちょうどランチタイム。今日は、5,6年生に混ざっての昼食でした。みんなお弁当を家で作って(もらって)持ってきていたのですが、私のホストマザーのパティーさんが学校の給食を買って男子と女子にそれぞれあげると、みんな喜んで食べていました。ランチの温食に「うどん」があったのですが、なぜかキュウリが浮かんでいました。みんな「ウェー、キュウリだー」と叫んでいましたが、うどん自体はおいしかったらしく、1週間ぶりのうどんを皆で回し食べし、楽しんでいたようです。この学校のカフェテリアでは、イッペイとカナエのホストマザーが働いています。
昼食後は、体育です。まずは、女の校長先生から学校の名前入りのTシャツを記念にいただきました。体育で着るのと、お土産の両方の意味があったのですが、子どもたちの反応はいまいち。私としては、もっと喜んでほしかったです。私ひとりで、「Wow,
how nice!」と興奮していました。今日の体育は特別に、近くのForesthill High School(高校)の運動場を借りて行います。更衣室でもらったTシャツに着替えて出てきたみんなは、本当にとてもかわいいでした。Tシャツが大きすぎて、ワンピースみたいな状態になっていたのが、余計にかわいらしく思えました。スクールバスが正面玄関に用意され、私たちと8年生(日本の中学2年生)の手伝いの子たち7名ほどが高校へ運ばれました。このForesthill
High Schoolは、3年前にできたばかりで、生徒は242名と少ないですが、学校の設備はとても立派です。特別に学校の中も案内してもらい、その立派さに目を見張りました。私がこれまで見た学校の中で、ダントツ1番にモダンでハイテクな高校でした。ユウキのホストブラザーは、この高校で学んでいて、私たちを見かけると、すぐに「ハイ、ユウキ」と声をかけにきてくれました。ユウキも嬉しそうでした。学校を一通り案内してもらい、さて、肝心の体育。軽くグラウンド(このグラウンドがすごいんです。全天候型グラウンドで、グラウンドはゴムのような感触で、みんな床にはいつくばって、その感触を確かめていました)を一周し、その後ストレッチ。そして、いよいよリレー競争。日本人3人とアメリカ人1人がチームを作り、競争しました。アメリカ人は「競争」になると、いつも本気です。ものすごい勢いで走っていました。それを見た日本人の子どもたちも、本気に。ヒカリはとても足が速いです。アメリカ人の男の子が、ヒカリの走りを見て、「競争したい」と言うくらいでした。始めは嫌がっていた日本の子どもたちも、久しぶりのリレーに、心の中の闘争心に火がついたのか、「もう一回走りたい」と言い出す子もいました。それから軽くジョギングをして集合。なんと、体育の先生が日本の子どもたち全員にメダルを用意してくれていました。一人一人名前を呼ばれ、みんなの前でメダルを首からかけてもらいました。メダルの裏には、FDMS(Foresthill
Divide Middle Schoolの略)と書いてあります。Tシャツとメダルは、みんなの記念になることでしょう。
バスでFDMSまで戻り、残り2時間は、選択クラスに参加です。まず1時間目。いくつかの候補の中で、日本の子どもたちが選んだのは「Coin
Collecting(コイン集め)」と「Lego(レゴ)」の2クラスです。レゴのクラスでは、アメリカの子どもたちと日本の子どもたちが二人一組でペアになって、課題の写真どおりに、ブロックを組み立てます。変わった授業だなーと思いましたが、いろいろな形を作ることで、想像力を養うのと、いろんなパーツがどのように組み合わさってできているのかを勉強する意図があるようです。日本の子どもたちは、「これが授業?」と驚きだったようです。コイン集めのクラスに行ったイッペイとユウキは、実際にコインを触りながらの授業だと思って選んだのですが、実際は、「古いコインの価値」をネットオークションなどを検索しながら学ぶ授業で、少しも分からないでいました。本人たちも、想像と違って退屈そうだったので、コインの先生に話し、途中からレゴのクラスへ移動しました。すると、申し訳なく思ったのか、コインのクラスの子どもたちが後から、自分のコインをイッペイとユウキにあげようと、持ってきてくれました。おそらく、コインの先生の配慮でしょうが、とても暖かい気持ちになりました。そして、もう一つ嬉しいことが。レゴのクラスでカイセイと一緒に作業した子が、私に、カイセイに自分が集めている1ドルコインをプレゼントしたいから通訳してくれと頼みに来ました。カイセイにそのことを伝えると、自分のリュックに今日一日ぶらさげていたスーパーの袋から何かゴソゴソと出しています。よく見ると、折り紙で作ったカブトムシを手に持っています。コインをくれる友達にお礼に渡すつもりのようです。とても嬉しくなりました。これぞ、「Cultural
Exchange(文化交流)」!カイセイに「カブトムシとカタツムリが一番人気だよ」と教えると、「もう、全部あげちゃう!」とスーパーの袋ごとあげていて、もらった子は大喜び。カイセイは、本当に折り紙が上手です。暇さえあれば、折り紙を折っています。ホストファミリーにもたくさん折ってあげたと教えてくれました。
2時間目までの休み時間は、またもや、アメリカの子どもたちから囲まれて動けません。手や紙に自分の名前を日本語で書いてと頼まれ、みんな、せっせと書いてあげていました。次の選択授業では、男子全員が「ホラー映画」、ヒカリとユカは「編み物」、ナナとヤヤとリサは「美術」のクラスへ入りました。ホラー映画のクラスは、今日は、日本人の子がいるということで、白黒の古いホラー映画をひたすら鑑賞するという内容でした。男子は真剣に見入っていました。編み物のクラスでは、アメリカの子どもたちが、手取り足取り教えてくれ、最後はブレスレットを仕上げました。(本当は、マフラーを製作中なのですが、時間が足りなかったので。)美術は、トロピカルな鳥を描く授業。3人とも上手に描けていました。
木、月、火と授業を受けてきて、みんな、いろんなクラスでアメリカ人の子どもたちに混ざって勉強するということに、だいぶなれてきたようです。一方で、質問がある時など、英語や単語を教えてあげても、なかなか自分で英語を話したがらない子もいます。せっかくアメリカまで来ているのだから、もっともっとトライしてほしいと思います。みんなは日本人で英語が話せないのは当たり前なのだから恥ずかしがることはない、と何度も話して聞かせるのですが、やはり、日本人の中にしみこんでいる「まちがったら恥ずかしい。通じなかったら恥ずかしい」という感覚は、なかなかなくならないようです。でも、自分の殻を破って、みんながんばってほしいです。